【配属機関概要】

3）任地（ サラワク州ビントゥル ） JICA事務所の所在地（ クアラルンプール ）

任地からJICA事務所までの交通手段、所要時間（ 飛行機 で 約 2.3 時間 ）

4）配属機関の規模・事業内容

ビントゥル病院はサラワク州の小規模地方都市にある公立の総合病院で救急・外来・入院やリハビリテーション施設があり病床数は約300床。サラワク州内陸部への唯一の交通手段であるボートの発着場所があるため、遠隔地からの入院患者が多い。遠隔地へはドクターヘリを使用しての定期的な訪問医療も実施している。精神科の開始は2012年と比較的最近で、メンタリ・ビントゥル地域センターは精神科付属として、2013年に病院から車で15分ほど離れた商業エリアに地元のNGOの協力のもとに設立された。精神疾患のある住民が地域に根差した社会生活を送れるよう、外来も含め利用者の就労支援やリハビリテーションを実施している。

【要請概要】

1）要請理由・背景

当国保健省は、「障害者の権利に関する条約」(2008年署名/2010年批准)において「精神障害」が明記されたのをきっかけに、国内での精神保健福祉に取り組み、全国の公立病院系列に22か所の就労支援等を行う地域センターを設立した。この取り組みの中心的存在であるメンタリ・スラヤン地域センター(スランゴール州)の設立と同時期に青年海外協力隊(ソーシャルワーカー)が配属され、利用者の就労支援を現地のスタッフと協働して実施した。現地のニーズに沿った活動を行ったことが評価され、その活動を全国に展開すべく今回の要請となった。マレーシアにおける精神疾患への理解や支援は近年本格的に始動したばかりであり、特に配属先のような小規模地方都市では精神疾患への理解が低いため、啓発活動や理解促進活動なども期待されている。就労支援は2016年に開始したばかりであり、就労先の開拓等への支援が望まれている。

2）予定されている活動内容（最終的な活動内容は、赴任後に配属先と協議し決定します）

メンタリ・ビントゥル地域センターとビントゥル病院精神科において以下の活動が期待されている。
1. 就労支援: ニーズにあった就労先開拓、就労前訓練、就労先への疾患の説明、就労後の定期的なフォローアップを同僚に提案し、ともに実施する。平日3日は地域センター、2日は精神科での就労支援
2. セルフアドボカシー(権利擁護活動)と啓発活動: 同僚と協働して、利用者や地域ボランティアを巻き込んで就労に結びつくような啓発活動を提案する。
3. 小規模起業支援: 利用者の収入となるような、手工芸品などボランティアが経験のある分野の紹介を行う。
4. 余暇活動の推進: 利用者が余暇時間を楽しめるよう、スポーツや芸術、音楽などの中から可能な分野に取り組む。

3）隊員が使用する機材の機種名・型式、設備等

キッチンやオーブンなどの調理機材、ミシン、スポーツ用品など

4）配属先同僚及び活動対象者

病院
精神科医師(1名・30代・女性)

地域センター配属
医師(1名・30代・男性)、作業療法士(1名・30代・女性、経験8年)、看護師(1名・30代・女性、経験8年)、医療アシスタント(1名・50代・男性、経験30年)

【資格条件等】

【地域概況】

【特記事項】